ETFの基本:上場している投資信託
ETF(Exchange Traded Fund)は、日本語で「上場投資信託」と呼ばれる。その名の通り、証券取引所に上場している投資信託であり、株式と同じようにリアルタイムで売買できる。
通常の投資信託は、1日1回算出される基準価額で取引される。注文した時点では正確な約定価格がわからない。一方ETFは、取引所が開いている時間帯であれば、そのときの市場価格で即座に売買できる。指値注文も成行注文も可能だ。
ETFの中身は通常の投資信託と同じように、株式や債券など複数の資産で構成されている。ひとつのETFを買うだけで、数十〜数千の銘柄に自動的に分散投資できるという仕組みは、一般的な投資信託と変わらない。
投資信託との違い
ETFと投資信託は仕組みとしては近いが、実際の使い勝手にはいくつかの違いがある。
| 項目 | ETF | 投資信託 |
|---|---|---|
| 売買方法 | 取引所でリアルタイム | 1日1回の基準価額で |
| 注文方法 | 指値・成行が可能 | 基準価額での約定のみ |
| 最低購入金額 | 1口単位(数千円〜) | 100円から可能 |
| 信託報酬 | 低い傾向(0.03%〜0.2%) | やや高め(0.05%〜1.5%) |
| 自動積立 | 証券会社による(非対応も) | ほぼ全社で対応 |
| 分配金 | 自動再投資できない場合が多い | 再投資型を選択可能 |
| 新NISA対応 | 成長投資枠で購入可能 | つみたて投資枠・成長投資枠 |
最大の実務的な違いは「自動積立のしやすさ」と「分配金の再投資」だ。投資信託はほぼすべての証券会社で毎月自動積立に対応しており、分配金も自動で再投資できる。ETFはこの点でやや手間がかかる。
代表的なETF
日本の証券取引所で購入できる代表的なETFをいくつか紹介する。
国内株式に投資するなら、NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321)やTOPIX連動型上場投信(1306)が代表格だ。日経平均株価やTOPIXといった国内主要指数に連動する。
米国株式に投資するなら、MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)や、海外ETFとしてバンガード・S&P500 ETF(VOO)、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)が広く知られている。
全世界に分散投資するなら、MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信(2559)や、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)がある。
いずれも信託報酬が非常に低く、長期保有に適した商品設計になっている。
ETFが向いている人・向いていない人
ETFが向いているのは、コストを極限まで下げたい人、市場の動きを見ながら自分のタイミングで売買したい人、まとまった資金で一括投資を考えている人だ。信託報酬は投資信託よりもさらに低い場合が多く、長期保有するほどその差が効いてくる。
一方、毎月コツコツ積み立てたい人、投資にあまり手間をかけたくない人には、通常の投資信託のほうが使いやすい。自動積立と分配金再投資が簡単に設定でき、一度セットすれば基本的に放置できるからだ。
実際のところ、同じ指数に連動するETFと投資信託の長期リターンに大きな差はない。どちらが「正解」というよりも、自分の投資スタイルに合った方を選べばよい。大切なのは、低コストで広く分散された商品を選び、長く持ち続けることだ。