REAL ESTATE · 不動産投資

不動産投資の入口

株式だけが資産形成ではない。不動産という「もうひとつの選択肢」を、冷静に整理する。

なぜ不動産投資を知るべきか

資産形成というと、まず株式やインデックスファンドが思い浮かぶ。NISAやiDeCoの話題が中心になりがちだが、世の中の資産の大部分は不動産で構成されている。日本の家計資産の約4割は不動産だ。

不動産投資は、株式投資とは異なる特性を持つ。毎月の家賃というキャッシュフローが得られること、レバレッジ(融資)を使えること、インフレに対する耐性があること。一方で、流動性が低く、管理の手間がかかり、失敗したときの損失が大きい。

ここでは「不動産投資をすべきかどうか」を判断するための基礎知識を整理する。答えを急ぐ必要はない。まず全体像を掴むことが大切だ。


不動産投資の3つの型

不動産投資には大きく3つの型がある。それぞれ必要な資金、リスク、管理の手間が異なる。

TYPE 価格帯 表面利回り 特徴
区分マンション 1,000〜3,000万円 3〜5%(都心) 管理が楽。ただし1室空室で収入ゼロ
一棟アパート 5,000万円〜数億円 6〜10% 空室リスク分散可。融資のハードルは高い
戸建て投資 500〜2,000万円 8〜15%(地方築古) 高利回りだが融資がつきにくい

初心者に人気があるのは区分マンションだが、「新築ワンルーム投資」には注意が必要だ。販売業者の利益が上乗せされた価格で購入するため、買った瞬間に含み損を抱えるケースが多い。


利回りの読み方 — 表面と実質の差

不動産投資で最も重要な指標が「利回り」だ。しかし、ポータルサイトに表示される利回りは「表面利回り」であることがほとんどで、実際の収益はこれより低くなる。

表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

実質利回り = (年間家賃 − 経費)÷(物件価格 + 購入諸費用)× 100

経費には管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険、空室損失、管理委託費(家賃の5%前後)が含まれる。表面利回り7%の物件でも、実質は4〜5.5%になるのが一般的だ。

物件を比較するときは、必ず実質利回りで計算する習慣をつけたい。


初心者が守るべき5つの原則

1. キャッシュフロー最優先。毎月の手残り(家賃 − ローン返済 − 経費)がプラスになるか。マイナスの物件は、どれだけ将来の値上がりを期待しても危険だ。

2. 出口戦略を考える。「買ったあと、いつ・いくらで売れるか」を購入前に考える。築年数、立地、その地域の人口動態が判断材料になる。

3. サブリース契約は慎重に。「家賃保証」を謳うサブリース契約は、2年ごとに保証額が減額される条項が入っていることが大半だ。2020年施行のサブリース新法で重要事項説明が義務化されたが、契約書は必ず隅々まで読むこと。

4. 自己資金を確保する。物件価格の10〜20% + 購入諸費用(物件価格の7〜8%)が目安。フルローンは金利上昇時のリスクが大きい。

5. 新築ワンルームは避ける。販売価格に業者利益が30〜40%乗っている場合がある。買った瞬間に資産価値が大幅に下がる「新築プレミアム」の罠を理解しておく。

不動産投資は「買うこと」がゴールではない。「持ち続けること」と「手放すこと」の両方を、買う前に設計する。

さらに深く知る


物件を探す

実際に物件を見てみることで、利回りや価格帯の感覚が養われる。まずは眺めるだけでも十分な勉強になる。

ポータルサイトの掲載物件は「売れ残り」も含まれる点に留意したい。好条件の物件は業者間で流通し、サイトに出る前に売れることが多い。あくまで相場観を養う場として活用しよう。

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