投資原則棚 — STOP LOSS

損切りの技術:いつ撤退すべきか

買うタイミングより、売るタイミングの方が難しい。
損切りの技術は、生き残るための技術である。

なぜ損切りは難しいのか

  • 損失回避バイアス — 損失の苦痛は同額の利益の喜びの約2倍
  • サンクコストの罠 — 過去の投資額にしがみつく
  • 確証バイアス — 「必ず戻る」という希望的観測を支持する情報ばかりを集める
  • 自己正当化 — 売ることは「自分の判断が間違っていた」と認めること

これらはすべて正常な認知機能である。だからこそ、感情に頼らないルールが必要になる。


ルールベースの損切り基準

価格ベース:

  • 購入価格から-10%~-20%で機械的に損切り
  • サポートラインを割ったら撤退

ファンダメンタルズベース:

  • 投資仮説が崩れたとき(moatが毀損、経営陣が変わった)
  • より良い投資先が見つかったとき(機会費用の観点)

時間ベース:

  • 一定期間経っても投資仮説が実現する兆候がない場合に見直す

「損切りしない」が正しい場合

  • 企業のmoatが健在で、一時的な悪材料で株価が下がっている場合 → 買い増しの機会
  • 市場全体が暴落しているだけで、個別企業の価値は変わっていない場合 → 忍耐
  • 長期の投資仮説は有効だが、短期的にタイミングが悪かっただけの場合 → 待つ

損切りの本質は「損を確定させること」ではない。
「これ以上この投資に資金と時間を使うことが合理的かどうか」を判断することだ。
撤退は敗北ではない。次の機会のために資源を保全する戦略的な行動である。

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