DEFINITION
スイッチングコストとは何か
スイッチングコストとは、顧客がある製品やサービスから別のものに乗り換える際に発生するコストのことである。金銭的なものだけでなく、時間、労力、心理的な負担も含む。
スイッチングコストが高い企業は、顧客を囲い込むことができる。一度製品を導入した顧客は、たとえ競合が少し安くても、乗り換えのコストを考えると留まる方が合理的になる。
THREE TYPES
3種類のロックイン
1. 契約的ロックイン — 長期契約や解約手数料によって顧客を縛る。携帯電話の契約、SaaSの年間契約など。最もわかりやすいが、契約期間が終われば顧客は自由になる。
2. 技術的ロックイン — 製品やシステムが深く組み込まれ、乗り換えに膨大な作業が必要。ERP(SAP/Oracle)、Appleエコシステム、Kintoneなど。データ移行、再教育、業務フロー再設計が必要になり、コストは極めて高い。
3. 心理的ロックイン — ブランドへの信頼、習慣、学習コストによる心理的障壁。長年使い慣れたツールを手放したくないという感情は、合理的判断を超える力を持つ。
CHECKLIST
投資家のためのチェックリスト
- この企業の顧客は、競合に乗り換えるために何を失うか?
- 乗り換えコストは年間費用の何倍か?
- 技術的な統合は深いか、表面的か?
- 顧客の継続率(リテンション率)は何%か?
- スイッチングコストは時間とともに強くなるか?
最も強いスイッチングコストは、顧客がそれをコストと感じないものである。
製品が業務プロセスに溶け込み、存在が当たり前になったとき、moatは最も深くなる。