自分の掛金上限を確認する
iDeCoを始める最初のステップは、自分がいくらまで拠出できるかを確認することだ。掛金の上限は職業と企業年金の有無によって決まる。
会社員の場合、自分の勤務先に企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金(DB)があるかどうかで上限が変わる。これは人事部や総務部に聞けばわかる。「うちの会社に企業年金はありますか」と一言聞くだけでよい。
自営業者やフリーランスは月68,000円が上限だが、国民年金基金に加入している場合はその掛金と合算される。付加年金(月400円)を払っている場合も同様だ。
金融機関を選ぶ
iDeCoの口座は、1人につき1つの金融機関でしか開設できない。途中で変更は可能だが、手続きに1〜2ヶ月かかり、その間は運用が止まる。最初の選択が重要だ。
選ぶ基準は2つ。運営管理手数料と商品ラインナップだ。
運営管理手数料は金融機関によって0円〜数百円と差がある。SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券などのネット証券は運営管理手数料が無条件で0円だ。銀行や対面型の証券会社は有料のところが多い。毎月かかる固定費なので、ここは0円の金融機関を選ぶのが原則だ。
商品ラインナップは、低コストのインデックスファンドが揃っているかどうかを見る。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」など、信託報酬が年0.1%前後のファンドがあれば十分だ。
運用商品を選ぶ
金融機関を決めたら、掛金をどの商品にいくら配分するかを決める。iDeCoでは複数の商品を組み合わせることができ、配分比率は1%単位で指定できる。
長期運用を前提にするなら、低コストの全世界株式インデックスファンド1本に100%配分するのが、最もシンプルで合理的な選択肢だ。世界中の株式市場に幅広く分散投資できるため、特定の国や地域に偏るリスクを避けられる。
リスクを抑えたい場合は、債券ファンドやバランスファンドを組み合わせる方法もある。ただし、iDeCoは60歳まで引き出さない資金だ。運用期間が20年以上あるなら、株式の比率を高めに保つほうが、長期的には合理的になることが多い。
定期預金のような元本確保型は、運用益がほぼゼロで口座管理手数料分だけ目減りしていく。所得控除の節税効果だけを目的にする場合を除き、積極的に選ぶ理由は薄い。
申込みから開設まで
金融機関のWebサイトから申込書を請求する(オンラインで完結する金融機関もある)。届いた書類に必要事項を記入し、本人確認書類とともに返送する。
会社員・公務員の場合は「事業主の証明書」が必要だ。これは勤務先に記入してもらう書類で、企業年金の有無や掛金上限を証明するものだ。人事部に依頼すれば対応してもらえる。
書類を提出してから口座が開設されるまで、通常1〜2ヶ月かかる。国民年金基金連合会での審査があるためだ。この期間は短縮できないので、思い立ったら早めに動くのがよい。
口座が開設されると、指定した銀行口座から毎月26日に掛金が自動引き落としされる。あとは特に何もしなくてよい。設定した商品に自動的に投資されていく。
年末調整と確定申告
iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になるが、自動的に税金が戻るわけではない。年末調整か確定申告で申告する必要がある。
毎年10月〜11月頃に、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届く。会社員はこれを年末調整の際に勤務先に提出すればよい。自営業者は確定申告で「小規模企業共済等掛金控除」の欄に記入する。
初年度は開始時期によって届くタイミングが変わることがある。届かない場合は金融機関に問い合わせるか、確定申告で対応すれば問題ない。