配当再投資(DRIP)とは
配当再投資とは、受け取った配当金をそのまま使わず、同じ株式や投資信託を追加購入することです。英語ではDRIP(Dividend Reinvestment Plan)と呼ばれます。
仕組みは単純です。100株を持っていて年間5,000円の配当を受け取ったら、その5,000円で追加の株を買う。すると翌年は、増えた株数に対して配当が支払われるため、受け取る配当金も少し増える。増えた配当でまた株を買う。この繰り返しです。
一見すると小さな金額の積み重ねに過ぎませんが、この「配当が配当を生む」仕組みこそが、長期投資における複利効果の本質です。
複利効果の具体例
100万円を配当利回り3%の株式に投資した場合を考えてみます。配当を毎年受け取って使ってしまう場合、20年間で受け取る配当の合計は60万円です(3万円 × 20年)。元本と合わせて160万円。
一方、配当を毎年再投資し続けた場合はどうなるか。1年目の配当3万円で株を追加購入すると、2年目の元本は103万円。2年目の配当は約3.09万円。これを繰り返すと、20年後には約180.6万円になります。配当を使った場合と比べて、約20万円の差が生まれます。
この差は、投資額が大きくなるほど、期間が長くなるほど、配当利回りが高いほど、さらに広がります。30年では約242.7万円となり、再投資しない場合の190万円と比べて50万円以上の差になります。時間が経つほど、複利の効果は加速していきます。
再投資型投資信託との違い
投資信託には「分配金あり」と「分配金なし(再投資型)」があります。再投資型の投資信託は、ファンドの内部で配当や利息を自動的に再投資してくれるため、投資家が自分で再投資する手間がかかりません。
しかも、再投資型の投資信託では分配金が支払われないため、配当にかかる税金(約20%)が発生しません。個別株で配当を受け取って再投資する場合は、まず税金が引かれた後の金額で再投資することになるため、税引き後の複利効率は投資信託の再投資型に劣ります。
ただし、NISA口座を利用すれば、個別株の配当も非課税で受け取れます。この場合、税金の不利は解消されるため、個別株での配当再投資も十分に有効な選択肢になります。
新NISAでの配当再投資
新NISAの成長投資枠では、個別株の配当金が非課税になります。ただし、配当の受け取り方法を「株式数比例配分方式」に設定しておく必要があります。郵便局受け取りや銀行口座振込を選んでいると、NISA口座でも配当に課税されてしまうので注意が必要です。
新NISAの年間投資枠は成長投資枠が240万円です。配当金で追加購入する分もこの枠を消費しますが、枠に余裕がある限りは非課税で再投資を続けられます。
一方、つみたて投資枠で購入できる投資信託の多くは再投資型です。こちらはファンド内部で自動再投資されるため、NISA枠を追加消費しません。「個別株の配当再投資」と「投資信託の自動再投資」は、それぞれ異なる特性を持っています。自分の投資スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。