自動車の「神経系」を担うトヨタ系部品メーカー。
電動化・自動運転へのシフトで部品の付加価値が増大する構造にある。
デンソーは自動車部品メーカーとして売上規模で世界屈指の地位を持つ。エンジン関連部品・空調システム・電子制御システム・センサー類など、自動車1台に搭載される「見えない重要部品」の多くを供給する。トヨタを筆頭に世界の主要自動車メーカーに部品を納入しており、サプライチェーンの核を担う。
電動化(EV・HEV)時代においてもデンソーの地位は強固だ。電動車向けのインバーター・モーター・バッテリー管理システムなど、EV固有の部品でも先行開発を進めており、内燃機関から電動パワートレインへの移行でも取引関係が継続する。CASE(Connected・Autonomous・Shared・Electric)への対応が、新たな付加価値の源泉となっている。
自動運転向けのセンサー(LiDAR・カメラ)・高精度地図データとの連携技術も開発しており、単なる「部品サプライヤー」から「モビリティシステムの設計者」への転換を図っている。トヨタグループとの連携の深さが、この転換を加速する基盤だ。
デンソーのmoatの核心は「無形資産(技術蓄積)5/5」と「スイッチングコスト5/5」の二重構造にある。
自動車メーカーが部品サプライヤーを変更するには、膨大な認証試験・設計変更・品質検証が必要で、一度採用されたサプライヤーは容易に変えられない。この慣性がデンソーの事業安定性の核心だ。
※概算値・参考値。投資判断の根拠にしないこと。必ず一次情報をご確認ください。
トヨタ依存リスク:売上の相当部分をトヨタグループに依存しており、トヨタの販売動向に業績が連動する。
EV化による製品ミックス変化:従来のエンジン関連部品がEV化で不要になるものもある。電動化部品への移行速度が収益構造を左右する。
中国EV勢の台頭:BYDなど中国メーカーが垂直統合でコスト競争力を持つ中、従来の日系部品供給体制が変質するリスクがある。