はじめてでも迷わない。
制度の理解から口座開設・積立設定まで、全8章で学べます。
銀行預金の金利はほぼゼロに近い水準が長く続いてきました。一方で物価は少しずつ上昇しています。つまり、ただ貯金しているだけでは、お金の実質的な価値は目減りしていきます。
「投資」と聞くと難しそうに感じるかもしれません。でも、国が用意した税制優遇の仕組みを使えば、普通の人でも無理なく資産形成を始められます。
NISAの本質はたった一つです。
通常、株式や投資信託で得た利益には約20%の税金がかかります。NISAを使えば、この税金がゼロになります。
NISAの存在は知っている。でも始められていない。そういう方は少なくありません。理由の多くは「よく分からないから」です。
この講座では、こうした疑問を一つずつ解消して、最後には実際に口座を開いて最初の積立設定をするところまでたどり着くことを目指します。
NISAは「少額投資非課税制度」の愛称です。イギリスのISA(Individual Savings Account)をモデルに、日本版として2014年に始まりました。
通常の証券口座(特定口座・一般口座)で投資をすると、利益に対して約20.315%の税金がかかります。
この差は、長期で積み立てるほど大きくなります。
2024年1月に制度が大幅に改正され、使いやすくなりました。主な特徴は以下の通りです。
日本に住む18歳以上の方なら、誰でもNISA口座を開設できます。ただし、NISA口座は一人一口座です。複数の証券会社で同時に持つことはできません。
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。両方を同時に使うことができます。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 対象商品 | 金融庁が選定した投資信託・ETF | 上場株式・ETF・REIT・投資信託など |
| 買い方 | 積立方式 | 一括でもスポットでも積立でも可 |
| 向いている人 | 初心者、コツコツ型 | 個別株も使いたい人 |
| 難易度 | 低い | やや高い |
NISA全体で使える非課税枠の合計上限は1,800万円です。ただし、成長投資枠だけで使えるのは1,200万円までです。
NISA口座で持っている商品を売却すると、その分の非課税枠が翌年以降に復活します。つまり、一度使った枠は永久に消えるわけではありません。
ただし復活するのは翌年以降で、「買値ベース」で計算されます。年間の投資枠(360万円)を超えて買い直すことはできません。
結論から言えば、まずは「つみたて投資枠」から始めるのが安心です。金融庁が選定した商品に限定されているため、極端にリスクの高い商品が含まれていません。次の章で詳しく説明します。
「最適な商品」を見つけてから始めよう、「もう少し勉強してから」と思って先延ばしにする方は多いです。でも、始めること自体に価値があります。
個別株投資は、企業分析や市場動向の理解が必要です。最初からそこを目指すとハードルが高くなります。
つみたて投資枠で買える投資信託は、多くの銘柄に分散投資する商品です。1つの投資信託を買うだけで、世界中の企業に少しずつ投資できます。
あります。少額でも投資を始めることで得られるものは大きいです。
NISA口座の開設から最初の積立設定まで、以下のステップで進みます。
証券会社の選択肢は多く、比較サイトを見れば見るほど迷います。大切なのは、「完璧な1社」を探すのではなく、「自分が続けやすい1社」を選ぶことです。
| 軸 | なぜ大事か | チェックポイント |
|---|---|---|
| 取扱商品数 | つみたて投資枠の対象商品が十分にあるか | 主要なインデックスファンドが揃っているか |
| 使いやすさ | 操作が面倒だと続かない | アプリの評判、画面の見やすさ |
| 積立設定のしやすさ | 毎月の自動積立がスムーズか | 銀行引き落とし対応、設定変更の手軽さ |
証券会社の比較でよく話題になるのがポイント還元やキャンペーンです。もちろん得になりますが、もっと大事なのは「長期間ストレスなく使い続けられるか」です。
初心者がNISAで積立を始めるなら、ネット証券がおすすめです。
投資信託は、多くの投資家から集めたお金をまとめて、専門家が株式や債券などに投資する金融商品です。1つの投資信託を買うだけで、数十〜数千の銘柄に分散投資できます。
| 種類 | 特徴 | 手数料 |
|---|---|---|
| インデックス型 | 日経平均やS&P500などの指数に連動する運用 | 低い(年0.1%前後〜) |
| アクティブ型 | 専門家が独自に銘柄を選んで運用 | 高い(年1%前後〜) |
初心者にはインデックス型が選ばれることが多いです。理由は、手数料が安く、長期的にはアクティブ型の多くを上回る成績を残してきたからです。
分散投資とは、1つの対象に集中せず、複数の対象に分けて投資することです。
全世界株式型のインデックスファンドなら、1本で世界中の数千銘柄に分散投資できます。
投資信託には「信託報酬」というコストがかかります。年率で表示され、保有している間ずっとかかり続けます。
これはどんな投資にも当てはまる大原則です。仕組みが理解できない商品は、たとえ人気があっても避けましょう。
投資を始める前に感じる不安は、知識が足りないからではなく、経験がないからです。ここでは多くの方が感じる不安と、その考え方を整理します。
投資に「遅すぎる」タイミングはありません。市場は上下を繰り返しながら長期的には成長してきた歴史があります。
大切なのはタイミングではなく、「市場にいる時間」です。
暴落は起こります。これは避けられない事実です。しかし、積立投資をしている場合、暴落は「安く多く買えるチャンス」でもあります。
積立を続けることが、最もシンプルで効果的な暴落への対処法です。
あります。月5,000円を年利5%で20年間積み立てると、元本120万円に対して約85万円の利益が生まれます。少額でも長期間続ければ複利の力が働きます。
NISA口座で保有している商品を売却すると、その購入時の金額分の非課税枠が翌年以降に復活します。「一度使ったら終わり」ではありません。ただし、年間の投資枠(360万円)を超えての復活利用はできません。
理論上は、まとまった資金があるなら一括投資の方がリターンが高くなる傾向があります。しかし、心理的なハードルを考えると、毎月の積立から始める方が続けやすいです。
以下の5つを、上から順に進めてみてください。全部を今日中にやる必要はありません。でも、1つ目だけは今日やりましょう。